血液疾患
以下の疾患でお悩みの方は当院へご相談ください。
貧血
一時的に意識がなくなったり、ふらついたりすることを貧血とよく言われますが、これらの症状は、貧血により結果的に出現することもありますが、即座に貧血を意味するものではなく、なんらかの原因による一過性の脳虚血を示唆する所見と言えます。
医学的に貧血の定義は、飽くまでも末梢血中の赤血球成分が不足した状態のことを言います。
- 症状
- 動悸、息切れ、めまい、耳鳴り、頭痛、ふらつき、たちくらみ、疲れやすい、微熱など多岐にわたります。貧血の進行が遅ければ、症状は出現しにくいこともありますので、注意が必要です。
- 診断
- 眼球結膜が貧血用であるかどうかを診ますが、これは精度がひくいため、診断には採血検査が必要となります。
単位血液量当たりの赤血球数、ヘモグロビン(Hb)濃度、ヘマトクリット(Ht)という3つの指標の低下によって判定されますが、最も重要な指標はHg濃度であり、Hg濃度が乳幼児及び妊婦では11g/dl未満、学童及び成人女性では12g/dl未満、成人男性の場合は13g/dl未満が貧血の基準となっています。
- 原因・治療
- 若い女性の方
子宮筋腫や月経過多による鉄欠乏性貧血の頻度が高く、貧血の程度が高度であれば、鉄剤の内服、点滴注射による補充療法を行います。鉄剤補充療法によりコントロールできない場合、根本的な婦人科疾患の治療が必要な場合があるため、その場合はしかるべき施設に紹介させていただきます。 - 高齢者の方
ビタミンB12欠乏による悪性貧血や骨髄異形成症候群などの頻度が高くなります。
腎機能障害があれば、腎臓で作られるエリスロポエチンという造血ホルモンが減少することによる腎性貧血を来すことがあり、貧血の程度が高度であれば、エリスロポエチンの補充療法を行います。 - 慢性の炎症性疾患をお持ちの方
それに伴う二次性貧血を来すこともあるため、貧血のもとになっている炎症性疾患の治療が重要となります。 - 黒色便や血便症状のある方
痔や消化管出血による貧血を考える必要があり、血圧の低下、脈拍の上昇など、急性の重篤な貧血を示唆する所見がある場合は、消化管内視鏡検査を行える施設に速やかに紹介させていただきます。 - 専門的な治療が必要になる貧血
赤血球のもとになる造血幹細胞・前駆細胞の減少または質的異常による再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、白血病などの造血器腫瘍などにより貧血を来すことがありますが、これらは血液内科専門医による特殊な治療が必要となりますので、その際には然るべき施設に紹介させていただきます。 - 原因がわからなくても、
Hgb6.0g/dl以下の重症貧血の場合は、輸血などの対症療法が必要であるため、速やかに高次医療施設へ紹介させていただきます。