予防接種
当院では、主に以下の予防接種(自費・公費)を行っています
公費予防接種
- 高齢者インフルエンザワクチン
- 高齢者肺炎球菌ワクチン
自費予防接種
- インフルエンザワクチン(例年10月頃~翌年2月頃まで)
- 肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)
- 肺炎球菌ワクチン(プレベナー)
- 水痘ワクチン(水ぼうそう)
- 帯状疱疹ワクチン
- RSウィルスワクチン
- 流行性耳下腺炎ワクチン(おたふくかぜ)
- B型肝炎ワクチン
- 麻疹ワクチン(はしか)
- 風疹ワクチン
- 日本脳炎ワクチン
当院の自費予防接種は小学生以上(インフルエンザは中学生以上)を対象にさせていただきます。予防接種については、ワクチンの在庫がない場合がございますので、必ず事前にお電話もしくは受付にてご確認をお願いいたします。
上記以外のワクチン接種をご希望の方は、当院まで直接お問い合わせください。
インフルエンザワクチンについて
インフルエンザウイルスが口や鼻あるいは眼の粘膜から体の中に入り、そのウイルスが細胞に侵入して増殖することをインフルエンザ感染といい、数日の潜伏期間を経て、発熱、咽頭痛などの症状が出現することをインフルエンザの発病といいます。インフルエンザワクチンにインフルエンザ感染を完全に抑える働きはないため、ワクチンを接種したからといって、インフルエンザに絶対感染しないというわけではありませんが、ある程度インフルエンザの発病を抑える効果が証明されています。
インフルエンザワクチンに期待される最も大きな役割は、肺炎や脳症等の重い合併症、死亡などのインフルエンザの「重症化」を予防することにあります。特にご高齢の方、基礎疾患などによりウィルスに対する抵抗力の低い方は、インフルエンザに感染すると重症化しやすいため、必ずワクチンを接種するようにしましょう。

接種について
当院のインフルエンザワクチン接種は、中学生以上を対象とさせていただきます。当院はインフルエンザワクチン接種の予約は受け付けておりません。在庫のある限り対応させていただきますので、お手数ですが、来院前に在庫の有無をお電話でご確認ください。
肺炎球菌ワクチンについて
社会の高齢化により、肺炎で亡くなる方が増えており、いまや肺炎は日本人の死因の第3位になっています。日常生活のなかでかかる肺炎の原因菌として最も多いのが肺炎球菌であり、65歳から急激に肺炎球菌性肺炎が増えることがわかっています。
そのため、厚生労働省は国民の健康寿命を延伸させるために、65歳以上の方に対して、成人用肺炎球菌ワクチンを接種することを推奨しています。
肺炎球菌ワクチンには、機序の異なる2種類のワクチンがあります。
- 【1】ニューモバックス(多糖体ワクチン)
-
- 23価の血清型に対応
- 定期接種または任意接種が可能
- 対象は、2歳以上で肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険が高い方
- 【2】プレベナー(結合型ワクチン)
-
- 13価の血清型に対応
- 任意接種
- 対象は、65歳以上の成人
肺炎球菌ワクチンの接種時期や接種するワクチンのタイプについては、当院に直接お問い合わせ下さい。
帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化により発症します。
VZVに初めて感染すると水痘を発症し、その後、VZVは知覚神経節に潜伏します。加齢に伴い細胞性免疫が低下すると、VZVが再活性化し、帯状疱疹を発症します。日本人成人の90%以上にVZVが潜んでいることが報告されており、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を発症すると言われています。特に50歳代から発症しやすくなります。
帯状疱疹の主な症状は、皮膚の一部に現れる痛みと発疹で、通常は体の片側に限定され、帯のように広がります。初期には、赤いポツポツとした斑点が現れ、その後水疱に変わり、数日間でかさぶたとなり、最後は剥がれ落ちます。一般的には胸や背中に発症することが多いですが、体のどの部分にでも発症する可能性があり、顔や目の周りに発症すると視力に影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。
多くの皮疹は跡形もなく消失しますが、約2割の方は疼痛症状が残存し帯状疱疹後神経痛と言われており、約1割の方は、帯状疱疹後神経痛により中等度~重度の疼痛が持続するとの報告があります。
帯状疱疹ワクチンの役割
日常生活への支障が大きい帯状疱疹後神経痛を防ぐにはなによりも帯状疱疹の発症を防ぐことであり、そのためには帯状疱疹ワクチンが大変有用となります。 帯状疱疹ワクチンには2種類あり、それぞれ長所、短所がありますので、下記の図を参考にワクチンを選択してください。
水稲帯状疱疹ワクチン | シングリックス | |
---|---|---|
ワクチンの種類 | 生ワクチン | 不活化ワクチン |
接種方法 | 皮下注射 | 筋肉注射 |
接種回数 | 1回 | 2か月以上開けて2回 |
効果持続期間 | 5年程度 | 9年以上 |
予防効果 | 50-60%程度 | 90%以上 |
副反応 | 接種部位の痛み 腫れ、発赤 3日~1週間で消失 |
接種部位の痛み 腫れ、発赤 3日~1週間で消失 |
値段 | 8,000円 | 23,000円を2回 |
成人におけるRSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス)について
RSウイルスは2歳までにほぼ100%が感染しますが、自然感染後の免疫応答は不完全で長く続かないため、RSウイルス感染は生涯にわたって繰り返し起こります。
通常、健康な成人はRSウイルスに感染しても軽症で、多くは風邪のような症状で自然軽快しますが加齢、基礎疾患、免疫低下状態などにより、成人のRSウイルスによるリスクは個々で異なり、場合によっては肺炎を来し、入院、死亡などの重篤な転機につながることもあります。文献報告における疫学データ(1)を日本の人口に換算すると、毎年、約60,000人の高齢者がRSウィルス感染症により入院し、約4500人がRSウィルス感染症により死亡すると報告されています。
(1) Savic M et al:Influenza Other Respir Viruses 2023; 17(1), e13031
RSウイルスワクチン「アレックスビー」の対象者は原則「60歳以上の方」に推奨されています。
下記に当てはまる方はRSウィルス感染により重篤化リスクがありますので、RSウィルスワクチン接種をご検討ください。
- 75歳以上の方
- 慢性心疾患、慢性肺疾患(肺気腫、気管支喘息)のある方
- 免疫機能低下のある方
- 重度の肥満、もしくは糖尿病コントロールの悪い方
- フレイルのある方
RSウイルスワクチンの費用
¥27,500(税込み)
なお、RSウイルスワクチン「アレックスビー」は、1回接種であり、筋肉注射となります。重大な副反応として、ショック、アナフィラキシーがあらわれることがありますが、頻度は稀であり、主な副反応(10%以上)は、疼痛、頭痛、筋肉痛、関節痛、疲労となります。
ワクチンの副反応について
主な副反応には、接種部位の症状(痛み、赤み、腫れ、腕の動きの制限)、筋肉痛、疲労、頭痛などがあります。
この他にも気になることがありましたら、当院にご相談下さい。